IPS e.maxの接着について
審美的な接着は、オールセラミックス修復物の色調を左右する重要な要素です。症例により、IPS e.maxプレス修復物は接着性レジンセメント、セルフアドヒーシブ、または従来型セメントによる接着ができます。
IPS e.maxプレス修復物の接着には、バリオリンクⅡ、バリオリンク ベニア、マルチリンク オートミックスをお勧めします。
レジンセメント
レジンセメントを使用した接着では、主に接着剤と修復物、接着剤と支台歯間の科学的、および微細の機械的結合によって接着されます。そのため保持力のある形成は不要です。デンチンおよびエナメルの微細な機械的結合を生み出すためにボンディング材が使用されます。レジンセメントにでの接着はオールセラミックの修復物の最終的な強度を強めます。
適応症例:A
シンベニア、ベニア、テーブルトップ、インレー、オンレー、パーシャルクラウン
ブラスティング
不要
エッチング
トータルエッチ
前処理/シラン処理
モノボンドプラスで60秒
セメントシステム
バリオリンクベニア、バリオリンクⅡ、マルチリンク オートミックス
適応症例:B
前歯および臼歯クラウン、第二小臼歯までの3本ブリッジ
ブラスティング
不要
エッチング
トータルエッチ
前処理/シラン処理
モノボンドプラスで60秒
セメントシステム
バリオリンクⅡ、マルチリンク オートミックス
セルフアドヒーシブ
セルフエッチ機能がセメント材に含まれているため、歯面への前処理は必要ありません。修復物は微細な機械的および科学的結合によって接着されます。十分な接着強度を得るために、保持力のある形成をすることをお勧めします。レジンセメントでの接着はオールセラミックス修復物の最終的な強度を強めます。
従来型セメント
従来型セメントは、セメントと修復物の物理的な摩擦によって合着されます。固定するためには、約4~6度の保持力のある形成角度が必要です。従来型セメントはオールセラミックス修復物の最終的な強度には影響されません。ただフッ酸による修復物のエッチングは必須です。
適応症例
前歯および臼歯クラウン、第二小臼歯までの3本ブリッジ
ブラスティング
不要
エッチング
フッ酸
前処理/シラン処理
モノボンドプラスで60秒
セメントシステム
グラスアイオノマーセメント
*IPS e.max プレス取り扱い説明書より引用